ハローダギー

愛しのタチアナのハローダギーのネタバレレビュー・内容・結末

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

公開時の劇場以来で観ました。うっすらとした記憶では、全然喋らない男女4人のロードムービーって感じでしたが、歳とってみたらば面白いのなんの!

モノクロームの画面、影の美しさ!全ての音楽の粋なセレクト!映画の中の映画でありながら、こぢんまりと隅っこにいるような、愛らしい不思議な映画です。

カウリスマキ作品はやはり気になる場面ばかり。以下、羅列。

コーヒーっていくら好きでもそんな立て続けに飲むもの?

フィンランド語を喋れ、って言いながら笑うダサい笑い方、からの少し話せたら、気まずく車に乗せることを了承する感じ。シャイを通り越して、もう、なんなんだ!

ドーナツ盤を入れるカーステレオ、フィンランドには普通なのか?

女性たちと何も話せないくせに、音楽に合わせて車のスピードあげたりする。

ホテルフロントで老眼なのに言わないシャイさ。

4人テーブルの座る位置のシャイさ。

寝てしまう男のタバコの吸いさしを、手に取り口にするタチアナ。薄い毛布は男にかけて。翌朝の無言。ここはかわいらしい恋の描き方か。

頼りない、草むらの極小ガソリンスタンド。

寝言!

肩枕からの肩に手を回す。間合いが小津感!

思い溢れて女性の後を追い、船に乗っちゃって席につくシーン、映画とコントの融合を観ました。

その後の船上は無声映画。いや、そもそもずっと無声というか無口な映画だったか。

何日も閉じ込めたお母さんは大丈夫?と心配になったが意外に普通に出てきた。

挙げても挙げてもキリがない、63分、味わうしかない幸せな映画です。