きりん

アキラ AKIRAのきりんのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
5.0
池袋で開催された大友克洋全集『AKIRAセル画展』に行ってきました。
原作者である大友克洋自身で監督を担当した本作映画の貴重なセル画と直筆レイアウトを約600点展示。今回も自ら企画構成したとか。迫力あるセル画は生きているようで圧倒的だった。またフォトスポットとして設けられたトラウマ級名シーンでもあるナイトベアの再現度がすごくてこれまた圧巻🧸ってことで興奮冷めやらぬうちに映画も再鑑賞。

関東に新型爆弾が投下され第3次世界大戦が勃発。それから31年後のネオ東京を舞台にナンバーズと呼ばれる超能力を持った子供と遭遇した不良少年金田と鉄雄の物語🏍


80年代アニメとは思えないほどの細部まで描かれた背景や人物描写には驚きしかない。1ミリも色褪せないクオリティは圧巻‼️
東京オリンピックが予言されていたなんて話は記憶に新しいところ。

金田のバイクを横滑りさせるシーンなんてどれほど他の作品で擦られたことか。カッコイイにもほどがあるぞ✨ちなみにこのバイクは2012年に開催された『大友克洋GENGA展』にて展示されてました🏍

特筆すべきは特殊能力(サイキック)を発動させるシーン。見えない力の表現をこうも上手く描写させてるの天才かよ✨何も無い壁がボコッと凹みながら崩れるのは何度でもおかわりしたくなる。

AKIRA…

その人物が登場するのは後になってから。てかほとんど登場しない。正体(現在の姿)を知った時は愕然となったし人間の愚かな部分を見た気がする。

AKIRAのもつ力を巡る軍やゲリラ組織のなんとも非力で愚かなことよ。力を手に入れた鉄雄もまた奢りその能力を自分のために使おうとするも結局は破滅への道。金田の鉄雄を救わんとする姿に友情と悲しさを見るも人間の欲望は留まる所を知らないのかもしれない。

うん、傑作。
きりん

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