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アキラ AKIRAのgnspのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.5



「MANGA都市TOKYO」展きっかけで、今更ながら…

いやー魅せられた。これぞ映像作品。


もう「キメ画」がキレッキレでかっけー。
金田のバイクズサ-のシーン、こう見るとチキンレースぶりには「ダークナイト」の”Hit me!!!”を思い出す…
「インセプション」でモロに「パプリカ」の影響を感じさせるシーンを出していただけに、考えすぎでもないかもしれなくもなかったりしない…?

そういった辺り、ブレラン以上に現在までの映像作品への影響を感じられるクラシック。「イマに近いけど確かに違う」、そういった観点からもクラシックがクラシックたりうる要素を感じる。

なによりこの作品、まったく「古さ」を感じさせないんだよ。

特に「パプリカ」への影響は悪夢表現といい顕著。まあ今敏自身がスタッフとしてガッツリ関わっているのでそれも当然か。
名作が名作を生む。

逆にブレランと2001年のオマージュもあって、そこはやっぱりアツい!
…でも「2001年」はそこをやるのかよ!!!!

ここで終わるかと思った場所から更に進んでいくあたり、やはりストーリーとしても非常に秀逸。
ゼネストとかやってる姿は、世代を2つ経て逆に1周してきたような感覚に襲われる。
そもそも「リセット」が起きているから、その分戦後をやり直していると思えば自然か。

あとやはり「MANGA都市TOKYO」でも感じた「居場所の無い者による憎しみと破壊衝動」も非常に感じさせる。
雑多で多くの思いがあるからこその疎外感。
そしてその負のエネルギーがあのビルを破壊して、革命を起こす。


WW2終結から連載開始まで期間と同じだけの時を経て世界は「リセット」されることなく進み続けた。

しかしここにきて大きなパラダイムシフト。
新たな社会へと「リスタート」が始まる様相のいま、1世代分経てくたびれた世を映し出すこの作品は、社会を姿を見る目としても参考になるものかもしれない。
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