gnspさんの映画レビュー・感想・評価

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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

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全ての映画好きの視野を拡張してくれる、素晴らしい教本。


映像と対をなす映画音響。その歴史から作られかたを、誰もが知る名作の舞台裏とともに、音響の巨匠たちのリードのもと振り返る。
誰ひとり欠けてもあ
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スレイト(2020年製作の映画)

3.5

たのしい!!!!!!!!

それだけでいい。


刀ぶん回す「主人公」の黄色モチーフといい、とかく「キル・ビル」リスペクトがムンムンなだけでなく、所々の切れ端まで色んな要素がごった煮もごった煮。
まあ
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ノー・チョイス(2020年製作の映画)

1.5

冗談かってくらいカメラワークのセンスを感じられなかった。

そもそもセンス以前に常に人に寄ってグラグラしてるわ、シーン転換でカメラをブンブン振るわ、開始20分で観るのに「疲れた」。まともに見せる気がな
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風が吹けば(2021年製作の映画)

4.5

水泥棒の少年が咎められない、その意味が分かったときは愕然としてしまった。


再開を目指すナゴルノ・カラバフの空港へ派遣されたフランス人監査士と現地の人々の交流

気さくな人々、美しい田舎の町並みだか
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

2.0

漫画は20巻辺りまで読了、アニメは4話ほどでセンスが合わず断念してます。


比較するのは良くないことだが、それでも前日に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観たのが大失敗すぎた。

感動へと誘うた
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ハイファの夜(2020年製作の映画)

3.0

フィルメックス初参加です。


不思議な構造のバーを訪れたワケアリな人々が交差し、流転していく一夜。


結論としては
「この不思議な構造のバーを見つけたロケハンの勝利」
これに尽きる。このお陰で今作
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.5

「生きている限り、忘れることはできません」
忘れないさ。君のおかげで綴れた、この文字列を憶えている限り。


物語自体は相変わらずベタもいいとこなんだけれども、それでも観客を白けさせずに純粋なる感動へ
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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

4.0

まずはTIFF2020、無事開催されたことを非常に嬉しく思います。
その喜びの中鑑賞した1本目でいきなりヒットが出て更に嬉しい。


離ればなれの彼女を救うために「作品」になる男

「ザ・スクエア 思
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散歩する惑星(2000年製作の映画)

4.0

行き詰まりに詰まった「どこかの国」。
起こることも、人々の行動の「ズレ」も、その先の未来も、すべてにおいて「閉塞感」だらけで苦しい。
なぜ苦しいかって、そりゃ他人事とは思えないからよ。


殆どカメラ
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エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

2.0

久々にnot for meすぎて観にきたこっちが申し訳なくなる作品でした……


チリの美しい景観とともに踊る姿は画になっていて、この点は良かった。

けど「計画」とやらを行うエマには全く知性を感じな
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.5

ニールでおなじみとなったロブ・パティンソンがやさぐれて、行き当たりばったり、破滅から破滅へ渡り歩く一夜。


元来無理な計画が順当に頓挫し、リカバーしようとヘマを続けるのはよくある流れ。しかしこの作品
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TENET テネット(2020年製作の映画)

5.0

グランドシネマサンシャイン、準最速上映で鑑賞。



後にも先にも無いだろこんな映画。


「007撮らせてもらえないからそういう感じの映画撮っちまうべ、でも普通じゃおもんないから007で絶対できない
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インターステラー(2014年製作の映画)

5.0

(1度目のMark。2018/2/13)
超壮大なSFの皮を被ったヒューマンドラマ。
もちろん宇宙空間や惑星の描写はさすがノーラン&Imax。
だがこの作品はなんといってもマーフとの親子愛。数回のシチ
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.5




「MANGA都市TOKYO」展きっかけで、今更ながら…

いやー魅せられた。これぞ映像作品。


もう「キメ画」がキレッキレでかっけー。
金田のバイクズサ-のシーン、こう見るとチキンレースぶり
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring song(2020年製作の映画)

4.5

2011年、驚愕のクオリティによって私をアニメの沼に落とした「Fate/Zero」から9年。
ufotable制作陣の皆さんは、あの時以上のハイクオリティな映像を創り出して、Fateシリーズ有終の美を
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インセプション(2010年製作の映画)

4.9

(1度目のMark時、2018/2/23)
Imax総選挙ラスト。ユナイテッドシネマさんにはこの1ヶ月お世話になりました。
まず発想からずば抜けてすごいし、それを圧倒的な映像で具現化する表現力。ノーラ
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ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.5

とんでもなく愚かだけどもあまりに切ない男の、ちっぽけだけど譲れぬプライドが生む苦悩……
……のように見せかけて、実は強烈なムラ社会映画でもあった。


今作は典型的な「若い馬鹿な男たち」が豪快に失敗し
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

4.0

単体の作品としては疑問符も多いが、「三部作を畳む」という意味だと完璧ではないだろうか。


終盤に起きたツイストのポッと出感とか、有名な問題点である暴徒と警官の衝突で誰も撃たない件とか…前作と打って変
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

3.5

人間の醜悪さを最も目にしてきた存在だからこそ、美しいものの尊さを彼は知っている。


「感動ポルノ」への疑念もしっかりと言及している、「しっかりした」作品にちゃんとなっている。

しかしそういった感動
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ナイチンゲール(2019年製作の映画)

2.5

これほど主人公に感情移入させない復讐映画もなかなか珍しい。

理屈じゃ理解しきれない「復讐」のファジーさ。
それを抱えた主人公を繊細に演じた、アイスリング・フランシオシさんは素晴らしかった。

「弱い
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.0


確かに「彼」の行動は間違いなく非道でグロテスクだ。
だが本筋はそこではない。

観客は徐々に、感情の発露の仕方を間違えてしまった、「彼」への同情の気持ちを芽生え"させられる"。
それがこの作品の最も
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.5

エンターテイメントの監獄に縛り付けられ、人生を破壊され、そして堕ちた星。
それでもなお、彼女は最後のささやかな輝きを放とうと足掻く。どこかで待つ人のために。
自分にできることはこれしかないと。


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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

2.0

とんでもなくチープな内容を、とんでもなく一流のキャストでやる。
ジャームッシュによる、タチの悪すぎる悪ふざけ。
これは褒めてもいるし、普通に不快になってもいる。


堅物署長も、やけに落ち着きのある若
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ANNA/アナ(2019年製作の映画)

4.0

自粛明け一発目はコレを観に行け!!!!

とにかくビジュアルに振り切って「魅せる」女スパイ映画。
観ていてひたすらに「美しく」、そして「楽しい」!


超褒めたいので、あえてまず先に苦言から。

行動
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.1

久々の映画館での鑑賞。
この日々が戻ってきたことをとても嬉しく思うと同時に、もう二度と失いたくないと感じ、改めて気を引き締める。


しかしこれはタイムリーに鑑賞したと見せかけてタイミング悪かったかも
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セブン(1995年製作の映画)

3.5

劇場型犯罪としては勿論、鑑賞前の想像よりアクションシーンや空撮もあって、想像以上にエンタメしてた。
それだけにあの終わり方が出来たのは凄いと思う。

だが今作の本質は、日々に黙殺された人間たちによって
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PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(2020年製作の映画)

3.0

配信版で。

予想よりずっと淡々としていたけど、しかし確実にこの世界を動かす物語。


新しきもあり、古き良きもあり。
あの人の決意はシリーズ通じて見ているからこそ響いた。

しかし作画の拙さと編集の
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.5

パプリカ同様、今敏監督の入れ子構造の巧みさは段違い。
改めて思わされた。


「ドラマ」「現実」「夢」という三段階を交差させることで「このシーンはどこなのか?」と頭をぐちゃぐちゃにさせられる。

「自
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ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

3.0

ホドロフスキーの宗教観・世の中の見方が、鮮やかな彩色と描写で表されていたので、「入門編」と呼ぶに相応しい…のでは。


明らかにイエスっぽいルックスで言葉話せぬ主人公やら、喜んで軍人に身体を差し出す奥
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.5

デヴィッド・リンチは若い時点から圧倒的な個性を確立していた。
その証左となる処女作。


低予算とは思えないほどのハイクオリティなグロテスクビジュアルや、美しく示唆に富んだ抽象シーンと、まさに「デヴィ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.5

いや、そりゃ「破」の続きを期待して見たら怒り心頭になると思いますよ。
そりゃ本音を言えば「破」の予告でやってたやつを見たかったですよ。
だけど最初からこんなもんだと高を括って臨めば…

いやこれはこれ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.9

エヴァ史上最もエンターテイメントかつエモーショナルで「面白い」!!!


旧劇からさらっていった視聴者だからこその、「変化」へのサプライズもあり。
そしてその変化こそが最高に楽しく、感動的。

「トリ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

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「旧劇から見るべきだろ」と思いつつも積み続けて数年、ようやく新劇に辿り着いたぜ!

ただ序に関しては

・画がめっちゃ綺麗になっとる!!!!

・ヒッキーの主題歌サイコー!!!!

…まあまだ総集編だ
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

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今となってはこれが旧劇の正史…なのかな。カヲルの喪失を機にシンジが完全に役割を投げ出したTV版よりは間違いなくより深いものが見える。

考察させる側面が強いだけに、殆どが最終話を念頭に置いた感想になっ
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劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

2.5

ネタバレ箇所が基礎になる作品ゆえ詳しくは言えないが、なるほどこれも「初恋」と同じ"足掻く"物語ではある。

TVシリーズからのファンにとっては、あの「人」たちにもう一度会えるだけでも嬉しいものなんだけ
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初恋(2020年製作の映画)

4.5

ヴァイオレンスとアツさとバカバカしさの超融合。
そして「詰んでる」若者たちの大いなる足掻き。


レオは余命幾ばくとなく身体的に詰んでる、モニカは薬漬けで選択肢がなく売春させられて人間的に詰んでる、そ
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