Itotty

告発のときのItottyのレビュー・感想・評価

告発のとき(2007年製作の映画)
3.9
イラク戦争から帰還したはずの息子が行方不明に。
元軍人の父親は自ら捜索を開始するも、やがて知らされる息子の死。
誰が何のために?
主人公と共に真実を追いかける先に見えた凄惨な真実。。。



サスペンスと人間ドラマと現代社会の問題提起が組み合わさっていてすごいなと思いました。
ほとんどアクションがない中で、終盤まで謎解き要素だけですごく引き込まれるし、何か巨大な陰謀みたいなものを想像させる作りはうまいなぁと思いました。

プラス、豪華な出演陣の、ロートーンな会話もよきスパイスに。私は俳優陣の演技が上手いとか下手とかはほぼわかりませんが、でも、会話劇の中での雰囲気作りみたいなものはすごく感じた気がして、
トミーリージョーンズも、シャーリーズセロンも、ともかくかっこよくて魅力的なお声で、素晴らしいんです。絶対こう言う街に行きたいと思わないけど、でも海外から見る限りでは何だか憧れるカッコ良さがあります。





一方で、結末は結構に悲しいもの。
精神的な病には、正義も悪もつけられず、誰もがいつ加害者にも被害者にもなり得てしまう真実が本当に辛いと思ってしまいます。

戦争もお金も、今ある世界はあらゆるものが繋がってできている以上、簡単に何かを否定したり批判したりすることはできません。
だけれども、1ミリでもこの世界を身の回りを良くするために、このような悲しい出来事が起きないように、一つ一つの事実を知ることの大切さを改めて教えてもらったと感じています。
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