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破戒のknightのレビュー・感想・評価

破戒(1962年製作の映画)
4.0
市川崑のモノクローム、水墨画みたいで好き。

生徒に部落出である事を告白する場面の雷蔵は、
これまで見た雷蔵の中で一番綺麗。
全編通してなんかとても綺麗な映画だった。

120分あるけど、文芸長編を詰め込んだ感じ。
多分最後も甘過ぎる。
でもおかげで結構爽やかなラストシーン。
願望込みの甘さを説得力のある爽やかで見せてくれる豪華キャストが贅沢。
岸田今日子さんの長ゼリフに感動した。

三国連太郎の猪子先生や、天使みたいなお志保さんは勿論とても重要な存在だけど、
鴈治郎の食えなさや、
長門さん演じる土屋君の、
ごく普通の差別意識と、そしてそれをごく普通の友情や良識で乗り越える姿が印象深かった。
鴈治郎、又食えない生臭坊主だと思ったら 笑、それだけじゃない 、
人って悪いだけでも良いだけでもない。食えないジジイ感が最高です。

ラストシーンで鐘を突いてる人については1エピソード位見たかった気もする。

宮沢賢治みたいな、昔の学校って感じの丁寧語がなんか良い。

あの土下座は、部落出なのを卑下して、と言うよりも、隠し事をしてしまった事が後ろめたかったからかなと受け取った
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