隔世の感もありつつ、市川雷蔵の確かな演技で決して過去の悲劇でもないことを思う。
差別的な社会とその中の温かい人々。ラストシーンは否応なしに心を揺さぶるものがある。
とはいえ、説明的なセリフと宮川のカ…
「差別する社会がおかしいのなら、なぜあなたはそれにあわせるのですか⁇」
自らが部落出身で過度に反応する小学教員:瀬川に、部落解放運動のリーダーの妻がこう放つ
差別する社会はあってはならない
しか…
原作島崎藤村。差別を恐れ、部落出身であることを隠して生きる小学校教員の苦悩。
階級差別があった時代の話で重いテーマではある。市川雷蔵の演技が素晴らしく、その境遇を思うと悲しみが胸に迫る。尊敬する部落…
藤村「破戒」、木下恵介の48年映画化に次ぐ62年、市川崑による映画化。ヒロインお志保は雷蔵の推薦でデビューする藤村志保。芸名もそこからつけられた。本作は、戒めを破り生徒に部落出身であることを告白する…
>>続きを読む肉屋のむすめという演劇を去年の春長野で見た。同行者に、破戒と同じ、長野県で上演だと言われてから破戒が気になっていたところ思いがけず市川雷蔵特集で劇場上映。演劇を観たのは松本、破戒の舞台は小諸と長野で…
>>続きを読む師匠阿部豊が東宝争議で製作中止になった無念を晴らす、市川崑監督の部落解放運動に一石を投じた社会派映画の秀作。師範学校卒小学校教員で一般人を装う瀬川丑松市川雷蔵の苦悶の演技の秀逸さ、お志保新人藤村志保…
>>続きを読む「差別をする世の中がおかしいなら、なぜそのおかしい方に合わせるのです?言いたいやつには言わせておけばいいじゃないですか。第一、あなたが部落出身とわかって、〇〇さんは態度を変えましたか?変わりませんよ…
>>続きを読む黒く大きい種牛を飼い慣らそうと対峙する瀬川の父。肉薄した牛の顔は鬼のようで、巨大な漆黒の呪われた血に男は無残にも突き殺される。部落生まれ同士足を引っ張り合っているかのような猛牛の最期が屠畜というのが…
>>続きを読む