ソニこう

愛を読むひとのソニこうのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.5
★ 人には誰にも話せない秘密がある。

かつて恋した女性が、被告人席に。重罪を受けてまで隠し通したかった事実とは。

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眩しすぎるラブストーリーと、心を蝕む過去の罪。その対比が、あまりに切ない。

そして何より、減刑できたのにも関わらず重罪を受け入れた彼女の決断は、何を意味するのか。それがわかったとき、計り知れない人類の愚かさを知る。

この映画には、心に残るワンシーンがたくさんあって、個人的にめちゃくちゃ好き。たくさんの学びと、深い感動と、悲痛が味わえる傑作映画だ。

●●●以下、ネタバレ●●●









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一つだけ気になるとしたら、裁判中に主人公が彼女の面談に行かなかったこと。絶対に行くべきだった。そして言うべきだった。話し合うべきだった。

現代の主人公は、人と深く関わることなく、何かに負い目を感じながら生きている。その原因は、"やらなかった後悔"があったからだと思う。決断の遅さと行動の遅さが、多くのものを損なわせていった。

"やらなかった後悔"は、その先の人生を灰色に染めてしまう。たとえ、鮮やかで輝かしいはずの景色ですら、その人の目には灰色に映ってしまう。

絶対に"やった後悔"を選びたいと思った。
ソニこう

ソニこう