トメさん

愛を読むひとのトメさんのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.6
前半のハンナの行動に違和感を覚えるところが多々ある。単純に文化の違いや時代の違いなのかなとおもってしまったが、後半にその違和感を回収してくれる。
なので、前半の違和感は大事にしながら鑑賞をお薦めします。


以下ネタバレを含む


















ハンナはなぜ非識字者であることを隠したかったのか。それがよくわからない。すこし調べてみると当時、ドイツはあの時代のなかでも、識字率がかなり高かったということが分かったが、それとの関連はあるのだろうか?
そういう差別の歴史などもあるのかな?

マイケルは、最後の最後まで、人に対してオープンになれず、ハンナは死んでしまった。おそらく、若き頃のハンナとの別れというのが、相当ショック、精神的にキツかったことが想像される。映画の尺の都合上、ハンナとマイケルの恋仲の関係はあまり濃くは描かれてなかったので、ショックの重さをあまり理解しきれなかったが、原作小説にはそのあたりが感じられるのではないかと思っている

ハンナが死ぬまで、心を開けなかったマイケルだが、映画のラストでは娘に心を開こうとするマイケルの姿があった。それではもう遅いよという気持ちも持ったが、遅すぎるということはないのかもしれない。死は悲しいが、きっかけを作る死だった。そして、そのきっかけを作ったのは、マイケルの行動である「愛を読むことで伝える」だったはず。
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