コリドラス

愛を読むひとのコリドラスのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.8
少年と暗い過去を持つ歳上の女性との悲しくも切ない純愛、そしてホロコーストを加害者の視点から描いた異色の作品。

序盤は15歳の少年と歳上の女性の甘い関係を中心にした青春映画なのだが、中盤からは女性のナチス時代の戦争犯罪を裁かれる法廷が舞台となり一気にシリアスな展開に。

原題は「The Reader」その名の通り少年が小説を読み聞かせるシーンが後半の伏線となっていきます。実は彼女は読み書きが出来ないのですが、羞恥心からそのことを隠してます。そしてそのことがさらなる悲劇を招いてしまうあたりは切なく胸がしめつけられる思いでした。

男性は初めての女性を生涯忘れないと言いますが、まあひとことで言うとそんな映画でもあります。源氏物語の藤壺を想う光源氏と同じですかねw

ケイトウィンスレットが中年女性を妖しくそして切なく演じて、アカデミー主演女優賞も納得の圧巻の演技でした!

そして邦題の「愛を読むひと」がとてもしっくりとくる。純愛だけでなくホロコースト、教養の大切さなど様々な示唆に富むとてもいい映画でした。

「人間を完全にする唯一のもの。それはまさに愛であると」
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