アノン

愛を読むひとのアノンのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.2
邦題がとても良い。主人公が正に「愛を読むひと」だった。

前半は少年と大人の女性が恋に落ちるロマンス映画なのかと思ってたけど、ハンナが突然姿を消すシーンから物語が一変した。加害者目線のホロコーストと少年の長きに渡る深い愛を描いた切ない物語だった。

文盲であることを知られることより、大きな冤罪をかぶることを選んだハンナの気持ちは私には分からなかったけど、誰にでも知られたくないことはある。マイケルが証言しなかったのも、それを理解していて本当に彼女のことを愛してたからなんだろうな。

店員さんがハンナのことをマイケルの母親だと間違えた時に、わざと見せつけるようにマイケルがハンナにキスするシーンが好き。カッコよかった。

悲壮感漂うハンナの半生を演じたケイトの演技も良かった。彼女の回想シーンが無かったのも、孤独で謎めいてる彼女を際立たせるのには最適だったと思う。
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