Nob

ラストキング・オブ・スコットランドのNobのレビュー・感想・評価

3.5
ウガンダの実在の独裁者である“アミン”を、架空の若きスコットランド人医師の視点で描く。

アミン大統領というのはいったいどんな人物だったのか。初期の志や姿勢が崇高な人であっても、権力の座につくと人格が豹変するというのは歴史上繰り返されてきた話。人間の弱さ、欲深さといった業は変わらないということだろう。

とにかく本作はアミンを演じるフォレスト・ウィテカーの演技が素晴らしい。自ら直接手を下さずとも、その存在感だけで残酷さを物語ることに成功している。それでいて、時にはニコラスに人懐っこく近づく姿を見せることで、不気味さや怪物性がより強調され、ホラー映画のような雰囲気も感じさせる。

実在の人物に対して客観的始点を加えるという点で、架空の人物を付け足すこの映画は、ある意味成功作と言えよう。
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