ヤフー映画難民

エターナル・サンシャインのヤフー映画難民のレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
4.4
凝りに凝った構成、すごい。
脚本家が憧れる脚本。

時系列が行ったり来たりするので、もし混乱してよく分からなかった人はクレメンタインの髪の色を覚えてからもう一度観てほしい。

・クレメンタインの髪の色
【赤】二人が付き合い始めて熱々の時(情熱の赤、と覚える)
【ピンクっぽいオレンジ】二人の仲が悪くなっている時(赤が色褪せてしまった、と覚える)
【青】記憶を消した後
【緑】初対面の時

これさえ頭に入れておけば混乱しない。
この映画は【青】から始まる。
「前に会ったことある?」とかのセリフがピンと来るようになる。

『記憶から消されないように、今回の記憶除去範囲から安全圏の記憶の中に逃げようとする』という部分に混乱する要素があるが、実際映像としてはこれ以上ないくらいこの変な状況を表現できていると思う。
とてもよくやってる。

メアリーやパトリックのエピソードも上手い。

ラストのジョエルの嫌な所も肯定する、というようなセリフがじーんと来る。
ジョエルはネガティブな男だった。
氷の上のデートで、氷が割れることを恐れ、一歩を踏み出せなかったジョエル。
その手を引っ張って歩いたクレメンタイン。
失恋の痛みを知り、「それでもOK」と言えるようになったジョエルの変化。
感動的だ。

チャーリー・カウフマンは天才。