Jean

エターナル・サンシャインのJeanのレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.0
2017.01.14 日本語視聴

記憶が消されるって
その人の性格とか人格とかその人らしさ
もしかしたら、その人自身が失われると
言っても過言でない気がする

今の自分がいる、自分らしさってのは
積み重なってできた過去の集合体なんだよね

そんでもって、
すごくいい人、気の合う人、
嫌な奴、どうでもいい奴、自分が覚えてない奴、
そんな人たちによって
自分としての"私"が出来上がっていることを
多くの人は気付きもしないし、
気付くどころか、そんな人たちを
消し去りたいとも思っている人も
もしかしたらいるかもしれない

"私"が今の私になるためには
その人たちが必要だったのにもかかわらず…

それを最近つくづく思うから、
この映画を観ていて、
主人公の気持ちはわかるけど…
本当にそれでいいの?と思わずにはいられなかった

誰でも
なんでこいつと
付き合わなきゃいけないんだろう
とか
こいつのせいで…とか
不平不満に思うことがあるだろうけど、
そんな気持ちになったら
この映画を観て、
この人に関する記憶が消されたら
自分はどうなるんだろう?って
1回考えてみるといいかもしれない

それが嫌な奴、嫌いな奴と
思っている人たちのことだけじゃなくて、
普段忘れがちな大切な人たちに対しても
同じように

その人たちが自分に
どんな意味を授けてくれたのか
見落とさないように

記憶を消されるって受動的な感じがするけど、
本当は普段、消しているつもりがなくても
人の記憶はどんどん失われているし、
薄れていくんだから、
どんな人にでも共通することなんだと思う

頭ん中の容量は少ないから
能動的にデータを消してるんだよね

データが消えるから、
人は日記を書いたり、
人に想いを忘れないうちに伝えるために
手紙を送ったりするんだよね

記憶が消えるってことは
誰にでも共通する
生きてく上で必要なこと

でも、その中で忘れてはいけないことも
本当は忘れたくないことも
たくさんあると私は思う

だから私は嬉しかったことも、
辛くて悲しかったことも
思い出せることは嬉しいことだと思うの

思い出せるってそれだけ素敵なことだと
私は思うし、そう信じたい

自分の過去を否定することは
自分を否定するようなものだから

自分を見つめたい時、
過去を後悔している時、
誰かとの関係を消したいと思う時
オススメの作品
Jean

Jean