2009年に51歳の若さで亡くなったヤスミン監督の遺作。2017年に公開され、今回UPLINK吉祥寺で上映されると知り劇場へ。多民族国家のマレーシアで、タレンタイムという学校主催のコンクールを舞台に、民族や宗教が異なる4人の高校生とその家族の日常と苦悩を優しい音楽に乗せて描かれ、静かに語りかけてくる作品。月光の調べと彼らの優しい歌や演奏、苦悩しながらも前に進もうとする姿が印象的。ただ、ユーモアもちょこちょこあって重くなりすぎない感じがヤスミン監督の人柄なのかなと。民族や宗教の違い、家族の形、身体的な障害、人が人を愛し、幸せになるためにそれらが障壁とならない社会を望む。
