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酔いどれ天使のキャンのレビュー・感想・評価

酔いどれ天使(1948年製作の映画)
4.0
dvdの裏ジャケットの文句を見ると、一瞬、猟奇食の強い作品なのかなと思ってしまいますが、内容はちゃんと人間ドラマです。
「社会階層の断絶」について考えさせられました。同じ黒澤作品の『どん底』と雰囲気は似ています。しかし、こちらは近現代に置き換え、いわゆる裏社会の人びとの捉え方も少し違います。2作品を比較して観てもおもしろいかもしれません。
それにしても、黒澤監督は本当に弱者を描くのが上手い。何故、弱者は弱者のままなじられていくのか。ひとの一生について考えさせられる作品です。
この映画のラストは、爽やかさと希望を抱かせるものなのですが、他方で、登場人物である少女の存在をどのように捉えるのかによって、ラストに対する感想も変わると思います。
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