酔いどれ天使の作品情報・感想・評価・動画配信

『酔いどれ天使』に投稿された感想・評価

黒澤明監督の1948年の作品。
あらすじも知らずに見始めた。
裏ぶれた町に住む医者(志村喬)の所に、ヤクザもの(三船敏郎)がやってくる。ヤクザはどうやら大きな病を抱えているようだが、医者の言うことを全く聞こうとしない。医者も売られた喧嘩は買ってしまうタイプなので、すぐに喧嘩になってしまうのだ。
少しずつ2人が歩み寄ろうとしつつあった時、異なる人物が登場し、状況が変化してしまう。
志村喬さんは物静かな役が多いイメージだったが、ここでは怒鳴ったり物を投げつけたりする威勢よく演じている。また三船敏郎さんが若くてスマートでハンサムだった。
戦後わずかに作られた作品。
道や道路も整備されておらず、泥水と水溜まりの映像が映しだされる。戦後の復興がまだ進んでいないのがわかる。
志村喬の人となりが映像から飛び出す程にわかりやすく、情に厚い医師の姿が見ていて心安らぐ。
ヤクザの三船敏郎は精悍な顔立ちが印象的で花一輪持ち出すのがダンディである。
そんな対照的な2人のやり取りが面白く、強気でも夢で棺の中の自分に追い掛けられる夢の三船敏郎は幻想的なシーン。
千石規子の台詞にある様に、三船敏郎が可哀想だった。
笠置シヅ子のワアオ アオ アオはなかなか斬新な曲。
CLEO

CLEOの感想・評価

4.3
大傑作。
40年代の作品とは思えないほどやくざ映画。町の顔役三船がムショ帰りの大物に何もかも奪われ破れかぶれになって単身反逆するも返り討ちに遭うという話なのだがあくまで主役は志村喬。こんな志村喬見たことない。これか『野良犬』の志村が好きだな。志村と三船の絡みは天下一。まだまだ青い三船だが胸ぐらつかむ時などの動作の瞬発力がすさまじい。そして完全に受けきったうえで全部上回ってくる志村の演技力たるや。脇を固める面子もまた素晴らしい。千石規子、飯田蝶子、久我美子、殿山泰司、堺左千夫。好きな役者が勢揃いで嬉しいったらありゃしない。そして早坂文雄のギターサウンドの音楽がバチクソかっこいい。クライマックスのカメラワークがヤバすぎる。フラッフラの三船を映す廊下のショットはもはや『勝手にしやがれ』の最後すら思わせる。三面鏡に三船が写るシーンも素晴らしい。悲壮な最期に反してどこか開放感のある演出がキマっていた。

前半でかなり幅をきかせていた三船だが大物が戻ってくるなりすぐへこへこし出すところでかなり愛着を持ててしまう。そして周りがどんどん大物について行きショバは奪われ、その転落っぷりがさまになる三船の魅力は半端じゃない。そういえば三船が踊っていて驚いた。いやこんなん惚れるわ。
ツンデレ医者とツンデレヤクザ(患者)が喧嘩しながら治療に励む話
仲違いの量青春映画なのよ

このレビューはネタバレを含みます

何が良くなかったのか、セリフの9割ぐらいが聞き取れなかった。しかし、映像と音楽と声のトーンでストーリーはなんとなく分かるものだと実感。
三船敏郎は野性味溢れる武士の印象が強かったが、身なりを整えるとこんなにスマートでハンサムなのだと驚いた。
水溜りの汚さは、白黒でも吐きそうなぐらい伝わってくる。
クライマックスの立ち回りは緊張感があって良かった。『羅生門』を少し思い出した。
「人間に一番必要な薬は理性」か。確かに理性は薬かもな…。

このレビューはネタバレを含みます

「人間に1番必要な薬は理性なんだよ」

映像も音もバリバリの作品だけど、これは変わっていない。

酔いどれの医者が言うなよ…いや酒を飲む事で、クソ溜め沼の街で辛うじて理性を保っていたのかな。

洋風三船が格好良すぎ。反面教師的な役だが、これは憧れちゃうね。

松永が改心して生まれ変わったのが『赤ひげ』なんですね、分かります。
Takumi

Takumiの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 若いヤクザの松永は、貧乏医師の真田から、自身が結核に冒されていることを知らされる。
 必死に治療しようとする真田に素直になれず、病状が悪化する松永だったが、やがて真田の優しさに心を打たれ、治療を決意する。
 しかし、出獄した兄貴分の岡田との縄張りや情婦の確執の末、松永は権力を失ってしまう。追い詰められた松永は岡田に決闘を挑むも、返り討ちに遭って死んでしまう。
 真田は、松永を死に追いやったヤクザの世界に怒りをぶつけ、悲しみに暮れる。結核を克服した元患者に再会した真田は、希望を胸に闇市の中へ消えていく。

 巨匠・黒澤明と三船敏郎の初タッグ作品。戦後の混乱の中で生きる人間の愚かさ、醜さ、優しさを描いた人間ドラマ。本編98分と、黒澤映画の割にそんなに長くないが、ドラマが濃密。無愛想で素直になれない松永と真田の友情の変化に熱くなる。

 必見なのは、松永が真田の治療を受ける決意をするシーン。松永の心の変化が「視覚的」に表現されている。どんなシーンかは見てのお楽しみ。現代では見られない、三船ならではの「静かな衝撃」。

 そして何より三船がカッコいい。「羅生門」「七人の侍」の影響で「三船=サムライ」のイメージがあるが、背広に拳銃の三船も最高。
どんなときも想ってくれる真の女性。

落ち目って嫌な言葉だな。

三船敏郎と志村喬が無茶苦茶怒る。
Sara

Saraの感想・評価

3.8
"酔いどれ天使"は、白衣を着てる医師と、最後に白いペンキまみれになる松永と、両方のこと?汚い泥の川や闇市との対比を感じた。

このレビューはネタバレを含みます

 ウェス・アンダーソン『犬ヶ島』を見た流れて鑑賞。黒澤・三船コンビの最初の作品であると同時に、志村喬の黒澤映画初主演作品だそう。志村喬の荒々しい町医者・眞田はもちろん、若かりし三船敏郎演じる松永の美しさも見もので、眞田が吐血した松永を看病するシーンでは、黒澤監督の三船敏郎への溺愛ぶりが感じられた。
 また、松永と岡田による死闘のシーンが大変素晴らしく、ペンキにまみれて転げ回る二人の様子は、人間の愚かさをよく表現していた。松永の死に様も最高の出来で、黒澤映画における三船敏郎の死に様はここから始まったのかと思うと、感慨深いものを感じた。
>|

あなたにおすすめの記事