TakayukiMonji

ママと娼婦のTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

ママと娼婦(1973年製作の映画)
3.9
長尺のエリック・ロメールみたいな会話劇。220分。会話劇中心でダレると思いきや、案外飽きずに観られた。
今で言うとフリーターのようなプー太郎である主人公は典型的なヒモでいて、ナルシストで、2人の女性の間で揺れ動く。主人公を中心とした会話劇には、嫉妬とか、愛情とか、同情とかが入り混じりながら、ヒモ男の哲学めいた台詞が時に滑稽であり、時に引き込まれる感じで、空気感が面白かった。この女性2人の後半のやり取りも感情的でいい。
自伝的作品らしいが、監督自身に不安定な危うさがあるからこそ、この不安定さが撮れるんだろうな。
結局、誰が“ママン”で、“娼婦”だったのか、とかこのタイトルの意味を考えながら、何かよくわからないけど、意外と好きだったなという作品。
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