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ALWAYS続・三丁目の夕日のmarimoのレビュー・感想・評価

ALWAYS続・三丁目の夕日(2007年製作の映画)
3.5
山崎貴監督のゴジラで思い浮かべるものは
「ゴジラ -1.0」
がもちろん大多数

西武園ゆうえんちの
「ゴジラ・ザ・ライド」
を思い浮かべる人もチラホラ

…違います
もうこの
「ALWAYS続・三丁目の夕日」一択なんです

冒頭のゴジラのためだけに映画館で観たいと思わせる
そんな映画

あの夕日町がゴジラに襲われるという劇中内での空想設定なのだが
ここで描かれるフルCGのゴジラが当時の邦画としては衝撃で
今まで観たことがないゴジラに大興奮しました

今観るとCGのクオリティは決して高くないのですが
見せ方は今でもカッコよくて
実写セットとCGの振り分け
CGならではの迫力あるシーンと構図
山崎貴監督とゴジラの相性は本作で約束されてたわけです

山崎貴監督は自分がゴジラをやるなら昭和の街を舞台にすると当時から公言されていて
この「三丁目の夕日」の続編のモチベーションはこの冒頭に集約されているとのこと

本編は…って、まあいいんですこのモチベーションがあったからこそ、後の本国アカデミー賞 視覚効果賞に繋がるんですから

山崎貴監督の「ゴジラ -1.0」が発表された時は
ついに…
山崎貴監督が…
と本作を思い出しながら期待値は爆上げだったわけです

この冒頭シーンは何度も見返していたのですが
本編を全部通して見直すのは公開当時以来

あらためて
この内容で上映時間が146分は長すぎるぞっと

ドラマ部分の演出を見直せば120分以内に余裕で収まる

続編なので夕日町メンバーのその後と深堀りなのだが
とにかく個々の物語それぞれが絡むことなく帰結していくのでサブストーリーの詰め合わせ感が強い

前作からVFX技術は更新されているものの
ちょうど技術が不気味の谷に落ちたタイミングなのか
背景のCGで描かれた人間が魂を抜かれているように見えてとにかく不気味
それもあってこの昭和の世界が誰かの悪夢をシミュレートした世界のように見えてしまう

どれだけ大変でも明るく前向きで人との繋がりが濃かった昭和時代
そんなポジティブさも打ち消す鑑賞中の不穏な気持ち
全てはCG人間たちが蠢く悪夢の世界が故

それでもなんだかんだでラストの
東京タワーの展望台と
空の見える日本橋に
気持ち穏やかになってしまう
(両方とも明かなVFX加工もろだしな映像なのだけど)

ただ1作目の建設中の東京タワーを超えるエモビジュアルは生み出せておらず
なんとも地味な印象の続編

結果、冒頭のゴジラシーンがピークなのを再確認
今後も定期的に冒頭だけ観ると思います
(ゴジラ加点)
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