囚人13号

スパイクス・ギャングの囚人13号のレビュー・感想・評価

スパイクス・ギャング(1974年製作の映画)
4.9
ニューシネマと括られているが問答無用で命が軽視され、ごろつきの死など無視されてしまう西部劇における青春ほど痛々しいものはない。

破滅へ向かうと分かっていながら一瞬を謳歌し、自由とは死から護ってくれるものとの決別であるが…その青臭さだけが人間性の証左となる。死にかけの仲間を眺めて「紳士だった」と過去形で語るような非情に徹せねばならぬ世界ゆえ彼らは生きることを諦め、正義とは程遠いが最後には自らの意思で発砲する。知られぬ帰郷は70年代で一番泣けるシーン。
囚人13号

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