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洲崎パラダイス 赤信号のtntnのレビュー・感想・評価

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)
4.5
最高。81分でこの面白さ。
物語が動き始めると、カメラが今までとは違う位置に置かれ、劇伴が流れ始め、影や雨が空気を作る。
『不安と魂』は物象化の映画で、主人公たちの関係性の全てに資本主義的生産過程が入り込んでるという論を読んで腑に落ちたのだけれど、本作の登場人物達もまた客と商売人という関係性から抜け出ることはない。
洲崎「パラダイス」とは価値の交換の場所であり、そこで展開される愛憎入り混じる2人の物語はまさしくファスビンダー映画と同様に社会性を抽出されたメロドラマとも言えるが、ラストの楽園追放で一気に世界に割れ目が入って終幕。気持ち良すぎる。
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