洲崎パラダイス 赤信号の作品情報・感想・評価

「洲崎パラダイス 赤信号」に投稿された感想・評価

sasaki

sasakiの感想・評価

4.6
女性陣(新珠・芦川)の話し方が好き。なんなのかこの感じ。快活な気の強さと、清楚さとの調和。

新珠さんは他のおしとやかな感じの役柄との演じ分け方がすごい。とてもナチュラルに別人になっている。高峰秀子的な素質。バタバタ走る後ろ姿が素晴らしい。

切羽詰まった人生、土地を変えて色々あって、結局切羽詰まったまま人生は続く。ふたりに視点を集中しすぎないところも良い。
大人のシンプルな傑作。

もりかけ二十五円。

二回みてTSUTAYAに返却。定期的にみたい。
akrutm

akrutmの感想・評価

4.3
川島雄三監督による、芝木好子原作の『洲崎パラダイス』を映画化した作品。当時の遊郭街であった洲崎を舞台として、田舎から流れ着いた男女を中心に、一杯飲み屋の女将や客、蕎麦屋の人々などの生態を描いた風俗映画。売春防止法が施行されたのが昭和32年(1957年)4月なので、この映画で描かれている洲崎の遊郭街は廃止寸前であり、まさに「赤信号」が点灯している状態である。

当時の赤線地帯の様子を知れるだけでも貴重な映画だと思うが、遊郭街に暮らしたり働いたりする様々な人々を描くことで、人間にとってどんな人生が幸せなのだろうか、そもそも生きていくということはどういうことなのだろうか等々、いろいろと考えさせられる映画でもある。

洲崎に流れ着く男女を演じている三橋達也と新珠三千代が、同じく川島雄三監督による映画『風船』とは全く逆の関係の役どころなのが、とても面白い。特に、新珠三千代の汚れ役(一緒にいた甲斐性なしの男をとっとと捨てて、飲み屋の常連客の情婦となる元娼婦)がハマっていて、『風船』の幸薄そうな女性と同じ人が演じているようにはとても見えない。宝塚歌劇団を退団して間もないのに、色々な役をこなす力量には感服である。もちろん、三橋達也のヒモ体質の男もなかなか良いし、その男を密かに想っている蕎麦屋の店員役の芦川いづみも、相変わらず可愛いのである。
nann

nannの感想・評価

4.0
久しぶりに映画館で再見。
川島雄三の中でも5本に入るくらい好きな作品です。

洲崎橋の上で始まり終わる映画。
でもラストの二人はどこか明るい。
一緒にいると、だめになってしまう二人。そして一旦離れても、やはり戻ってしまう。

新珠三千代がいい。やっぱり女のほうがしっかりしてるんだな、とどうしても思ってしまう。
対する本当にクズでダメ男三橋達也も素晴らしい。クズっぷりが。
そしてやはりたまちゃん。芦川いづみのたまこ役は最高ですね。

洲崎パラダイスという本当にあった戦後の遊郭街が映されている貴重な映画。
どこへ行ったのか聞くときに、「(洲崎パラダイスの)中? 外?」と言うのが面白かった。
古くは「浮雲」、最近だと「COLD WAR」みたいなずるずるべったりな男女の情念ものには個人的にどうもついていけないのだが、ここまでドライにシニカルにやってくれれば心地よい。何が起こってもどんどんワイプで繋いじゃう感じが最高。湿っぽさなど微塵も感じさせず、テンポ良く物語が進んでいく。
それにしても劇中唯一の真人間と思しき芦川いづみの可憐さときたらもう。
ぴ

ぴの感想・評価

4.0
気取らない会話にずっと夢中な共依存メメント……新珠三千代のうなじ〜抜襟の絶景、憧れちゃうね!
日継

日継の感想・評価

4.3
どうにもならない且つベタな話だが、飾らぬ感じがとても良い。
しっくり。
恋は人の運命を弄ぶけれど、永遠にやめられないものであるという意図を見せつけてくれる映画。
最初のシーンと最後のシーンが同じような構図になっているのがそれを示唆している。
三四郎

三四郎の感想・評価

3.6
今更だが…、役柄がその俳優・女優の人気を左右するよなぁ。ただハンサムだったり美しかったり可愛かったり…容姿端麗なだけではなかなか人気は出ないだろう。儲け役か否かが大事なんだろうなぁ。『陽のあたる坂道』を観て、次にこの作品を観て、芦川いづみが画面に登場するたびに思った。たまたま私が観た作品がそうなのだろうが、彼女は可憐なだけでなく、まさに儲け役を演じている。そしてその役が非常に彼女に適しているように思えるのだ。無理がなく実に自然だ。

道で倒れても誰かしら手を差し伸べたり介抱してくれる。心の綺麗な優しい人がたくさんいた時代。貧しく暗鬱な時代でもあっただろうが、人間の繋がり、互いに思い合う深切心のあった時代だったのだろう。今もかしら。
lag

lagの感想・評価

4.3
川を挟んだ橋、天国の外側。出戻る。女と男。飲み屋の女将。気さくなおじさん。配達のにいちゃん。しっかりした蕎麦屋の娘。純情な人。足元。雨の夜。不意の沈黙。サイレン。行方知れず何処へやら。気取らない愉快な会話。
遠藤

遠藤の感想・評価

4.0
冒頭とラストを、男女が橋の上で会話するという同似形の場面で繋げることで、その間の流れで起きた一切を排除し得る。まるで何も変化はないように。また、洲崎パラダイスと言っておきながら、それ自体に焦点を当てた作品ではないものの、橋やネオン、女性客によって対岸の別世界を観ている者に意識させる。
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