キネマ寸評

ダブルボーダーのキネマ寸評のレビュー・感想・評価

ダブルボーダー(1987年製作の映画)
4.0
“terminate with extreme prejudice”という表現で行けば、マフィアボスを暗殺する、というコマンド部隊の密命を表現していると思うが、幼馴染で女取り合った末に“きっちりカタを付ける”、という2重の意味とも解釈できる。そういう割りと複雑な脚本だが観客をどんどん置いてけぼりにする男気。ウォルター・ヒルがサザン・コンフォートの時みたいにまた漢なメンツを集めた。レンジャーのニック・ノルティは始終抑えた演技、マフィアボスのパワーズ・ブース、コマンド部隊のマイケル・アイアンサイド、リップ・トーンにクランシー・ブラウン。毎度微妙なヒロイン、マリア・コンチータ・アロンゾ。始終汗かいてそうな(実際皆汗だく)人をわざわざ厳選。レンジャーとマフィアボス、女を絡めた三角関係、因縁の対決、コマンド部隊、裏切り、金。男気の全てを問答無用で詰め込んだ男尊女卑マッチョ汗だくヒル型ヤクザ・ウェスタン映画。予告編を観て惚れ込んだあなたはコマンドー映画末期症状。夏場にテキーラ呑みながら観たい。
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