Ya映画鑑賞

ゆれるのYa映画鑑賞のネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる(2006年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

こういう映画ずっと観たかった。

最後の捉え方とか兄の笑顔の見え方って、自分のそれまでの経験とか兄弟観、性格、深層心理に凄く左右されると思う。映画を観ているうちにそういう自分が炙り出される思いがした。結末が人によって180度違うのかと思うと鳥肌がたつ。

どんでん返しとも伏線回収とも違う、「最初から知っていたのに、自分が歪んでいたから違う情景が見えてしまっていた」という落とし方。自分的には新しかった。
人間の認知情報は必ずしも真実をそのま写したものではないし、自分の精神状態如何で全く真実と違うものにもできてしまうことを、映画ならではの方法で見せてもらった。

カメラが、ゆれる。登場人物の本当の心情を、言葉以外の別の何かで表現しようとする意欲?を感じた。だからこそどう撮るかが重要になるし、最後でやっと出てくる弟の心の声はすごく鮮やかに活きている。


それにしても弟よ…
自分も年下きょうだいに奪われた経験あるから、どうしても兄側に感情移入。
最後の兄の笑みは「今更元の関係に戻れるとでも?」みたいな皮肉な笑みに見えた。兄はそのままバスに乗ってしまうのではないかと想像。


オダギリジョーこんなかっこよかったっけ笑 新撰組の斎藤一も良かったけど、こういう現代人の方がやっぱりかっこよさが引き立つなあ…

2021.12本目
Ya映画鑑賞

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