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ゆれるのteramovoのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
4.0
弟にとって兄は最初にできるライバルでありながら縋りついてしまう存在なのかもしれない。

事後、兄弟の心境の揺れ方は見事だ。ムラ文化の強い地元で助けることのできなかった稔、一部始終を観ていなかったことから半信半疑な猛。智恵子をめぐって2人の関係は深い溝に落ちていく。それはマクロでみると兄弟喧嘩であり、ミクロでみると血縁では処理できない自我のぶつかり合いの様だった。

西川美和監督の作品はパキッとしてて冗長な時間がない。ラストシーンも結論的じゃなくて過程を映す。そしてこの作品は兄弟であることから思考を言葉にすることに違和感がない、そこもミソだと思った。

香川照之も新井浩文もやっぱすごい役者だ
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