ともぞう

ゆれるのともぞうのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
4.9
喪服のズボンにポタポタと落ちるお酒。グチュと身が出たトマト。死んだ魚の目。これらのシーンの長回しで複雑な心象風景を表現するセンスが流石の女性監督だと思う。ラストの真実に気づき、兄に詫びるオダギリジョーに対し、弱々しい笑顔で応える香川照之。あのままバスに乗らずに家族の元に戻ってくれたのか?それともバスに乗り、街を去ったのか?結論を観客に任せる終わり方も秀逸。邦画の傑作だと思う。

〈あらすじ〉
東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリジョー)は母の一周忌で帰省する。彼は実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、3人で近くの渓谷に行くことにする。猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落し、つり橋から突き落とした容疑で逮捕される。やがて裁判が始まり、稔の意外な一面をかいま見た猛は、法廷で思いもよらないことを証言するのだった。
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