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名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)のJeffreyのレビュー・感想・評価

2.8
「名探偵コナン 戦慄の楽譜」

本作は2008年に劇場化された名探偵コナン第12作目で、私が高校2年生の時に劇場で見た作品である。この作品も前回の紺碧の棺同様に残念な結果だった。あまりにも退屈(全ての劇場の中で最も長い1時間55分の作品であるため)すぎてコナンの面白くハラハラドキドキする要素があまりにも少なかった。コナン劇場版を見る人はかなりシビアな人が多いと勝手ながらに思うため、必死に作らないとぶっ叩かれる可能性大である(笑)。本作は連続でアニメーション最優秀賞受賞している。TOHOのメインロゴが映し出された後に、読売テレビ開局50周年と小学館週刊少年サンデー創刊通算50年記念作品のロゴ説明が入っている。基本的にサブキャラクターの出番がほとんどなくて記念作品と言う割にはコナンとこの作品オリジナルキャラクターとの活躍のみになっていて少しばかり物足らないのを感じた。

この作品を見てもう劇場で見るのは一旦やめようと思ってしまったが、ちょうどこの次の作品が黒の組織の映画だったため、結局もう一回見に行ってしまったことを覚えている。唯一この作品で良かったのが中学生時代の毛利蘭と工藤新一の喧嘩のシークエンスが回想として描かれているところだろう。この2人の過去の話は結構好きだから色々と描写してくれるのは個人的には助かる。それとコナンが通う学校の校歌も合唱される貴重な作品では一応ある。この作品はZARDの最後の劇場音楽を担当した作品でもあり、前年にボーカルの坂井さんが不慮の事故に遭ってしまったからである。これは1つの名探偵コナンの歴史が終わった利用を告げる瞬間でもあったのだろう。テレビ版の運命のルーレットはものすごく好きでめちゃくちゃ小学生の時聞いていた。

ちなみにこの作品劇場で初めて、犯人役の黒いシルエットの状態で言葉を発する映画でもある(パソコン打ちながら登場する)。この作品大いに楽しめる人物がいるとしたらベートーベンやそういったクラシック音楽に精通している人間だろう。チェロソナタやアヴェマリア、それとアメイジング・グレイスなど流れる。この作品はアクションなどはさておき、音楽を楽しめる作風になっている事は間違いないだろう。だが、従来のコナンファンにとっては物足らない事は事実だ。それに推理が案外簡単にわかる設定になっているのも少しばかり残念ではある。とにかくトリックを好む人間は残念な映画だと感じるのではないだろうか。まぁ今回は音楽重視にしてみたのだろう。でも紺碧のジョリーロジャーが多分評判悪かったのは制作側にも伝わっており、次回作はかなりプレッシャーがかかったと思うのだが、なぜアクションを封印してしまったのだろうか。

アクションがないと劇場版って感じがなかなかしないと言う人は多分多くいると思う。アクションなしだと普通の地上波で流れている2時間スペシャルとかに感じてしまう人もいるはず。それに3Dを使った場面がほとんどないのも残念だった。予算がなかったのか、殺人シーンなどもなくて異色と言えば異色なのかもしれない。その数年後11番目のストライカーと言う作品が出てくるのだが、ここでは一切殺人が起きない名探偵コナン劇場版唯一の作品も登場している。ところでピアノの調律と言うのは絶対音感じゃなければ確実に無理なのだろうか?そんな事はないだろう。というかもしコナンが絶対音感の持ち主だったら、なんであんなに歌が音痴なのだろうか?辻褄が合わないような気がする。

そしてこの作品は淡々と音楽重視の作品と先程言ったが、もちろんクライマックスにかけては多少なりとも緊張感や緊迫感漂う爆破などがあるためその点は従来通りだ。ただツッコミどころ満載ではある。例えば、、と言いたいところだが、ネタバレになるため話せない。ここでもまたプラスチック爆弾が使用されている。どうやら劇場版のコナンの作品ではプラスチック爆弾を爆発させるのが好きのようだ。まぁとにもかくにも地味な劇場版だったなぁと改めて鑑賞して思った。ただ色々とパイプオルガンなどの音楽関係の知識が学べるのでそこら辺はいいなと思う。でもピアニストからオルガン弾きに転向するって言うのは滅多になさそうな気がするけどね...。この作品の面白かったところは、メインキャラクターが音楽の指導するために小学校に来て、みんなの歌声を聞くのだが、コナンの歌があまりにも下手すぎて、あゆみちゃんがフォローしに行くんだが、全然フォローになっていないところが笑えた。
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