死刑とは…………
簡単に賛成・反対なんて言える問題ではないと代弁してくれる作品でした。
主役のヘレンの小説を原作にしたノンフィクションだということですが、原作は未読なのでどれほど忠実に再現されているのかはわかりません。
映画の中の彼女は死刑反対論者ですが、単純に『死刑はダメだ』としていないところが素晴らしい。
被害者遺族の主張や感情だけでなく、死刑囚の強がり・感情の変化なども見事に表し一つの結論に導かずにストーリーを進めるので飽きずに120分のめり込むことができました。
死刑囚に同情しそうになると残酷な犯罪のシーンを挟み、冷静にさせる演出も秀逸でした。
死刑囚マシューを演じたショーン・ペンは圧巻です。
ただ、被害者の父とヘレンの最後の会話は少し蛇足かなぁと……。