たむ

デッドマン・ウォーキングのたむのレビュー・感想・評価

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)
4.0
90年代後半に、本作や『トゥルークライム』『グリーンマイル』といった死刑囚ものが多く製作されていますが、その中でも最も宗教色がつよくインパクトもおおきい作品です。
一人の死刑囚の精神アドバイザーとなったシスターが彼の事件を追いながらも救おうとするのが大筋です。
なかなか矛盾した構成となっていることが、死刑問題の難しさに直結するような作品で、特にクライマックスのカットバックには、凄まじい葛藤があります。
ミステリー仕立てになっていますが、こびりつくようなインパクトがあります。
本作から離れると、その後の映画史を考えるとなかなか皮肉なキャストが揃ってます。
まず、被害者がピーター・サースガードさん。
今では考えられないキャストで、『ボーイズ・ドント・クライ』での真逆の配役以降は、もっぱら悪い男の定番です。
また、死刑囚のショーン・ペンさんは、本作の監督ティム・ロビンスさんを撃ち殺す『ミスティック・リバー』で二人揃ってオスカーを受賞します。
さらに痩せているジャック・ブラックさんが見られるのも、衝撃のひとつです。
この映画を機転として、なかなか皮肉な道を歩んでいる映画人が多そうですね。
たむ

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