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ツレがうつになりまして。のLEGIONのレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
2.5
実直なサラリーマンの夫に頼りきりだった漫画家の妻が、夫のうつ病発症をきっかけに、夫婦の関係を見つめ直していく姿を描いた物語。普段が明るく安心感を感じられる人ほど一度鬱の状態に陥ったら、元の精神状態に難しい。日々の積み重なりが生み出してしまうと考えると生きるのはすごく大変なのだと感じる。それを支える人からの視点で描かれたこの作品は鬱を知らない者からの視点であるため作品に入りやすかった。しかし登場人物それぞれ個人の感じた感情を軸に鬱が描かれるから客観的で薄く感じたため、鬱病自体がどれほどのものなのかよく分からなかった。むしろずっと寝たきりで食べなかったり、何かしたくても体が動かないなどの動作があまり深刻そうに見えなかった。実際の鬱病は想像を絶するものだと思う。そのためもう少し鬱病になった登場人物視点で描かれる場面があった方が鬱という病気を多方面から捉えられるものになるためより良い作品になったと思う。
全体的に静かで映画として”起承転結”を大きく区分したら”承”・”転”が無いようなストーリー構成のため”起”で描かれる鬱病に心を掴まれなければ、それ以降心は掴まれることなくこの作品に対し魅力は感じないと思う。発症も克服も明確なるきっかけはなく、積み重なりで自然となり得るため小さなことが大切だとは感じられるが、映画としては印象に残らなかった。
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