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プライドと偏見のKanのレビュー・感想・評価

プライドと偏見(2005年製作の映画)
4.0
原作が愛読書の一つなので鑑賞。原作の非常に印象的なシーンがちゃんとおさえられていて、ファンとしても楽しめる内容。18〜19世紀に生きた人々の機知や、彼らも21世紀のわれわれと同じように恋や人生に悩み苦しみ、喜び楽しんだということを、原作を読んでいる時のように味わわせてくれる。
女性に相続権がなく、結婚が唯一生きる道だったという弱い立場に追いやられていた時代、自身の愛を貫こうとした主人公エリザベスの生き方は、Me Too運動に代表される現代のフェミニズムの視点からも共感を得られるのではないか。オースティン自身は、一部のフェミニストから批判されているようだけど。
個人的に、オースティンの小説は小津安二郎の世界に近いと感じていたが、この映画を見るとその考えをさらに強固にした。
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