EmiDebu

ビッグ・ダディのEmiDebuのレビュー・感想・評価

ビッグ・ダディ(1999年製作の映画)
2.0
振り切って楽しむにはあまりにこの映画は稚拙で、自分も歳を重ねたなぁと思う。

あらすじを聞いたら結末までおおよそ察しがつくようなありきたりで90年代っぽい映画。ダメ男がひょんなことから子育てに奮闘するうちに子供と友情が芽生え、、、みたいなね。似たような映画の名前が出てくるわけではないのになんかどこかで見た事あるような、「あぁ、そのパターンね」ってなる感じわかるだろうか。

なんといっても緊張感のなさがやばい。裁判のシーン史上最も緊張感がない学芸会みたいな裁判が後半に繰り広げられる。
中学生の知識で考えた裁判みたいな。あまりにも幼稚で感動も全然しなかった。なんなら今思い返すと「ネグレクト」と捉えられてもおかしくないシーンもあるし、良い感じに感動シーンで「良い父親」の部分だけ抽出されて回想シーンまであるが、クズなところも結構ある。学校から言われるまで風呂にも入れてないとか、普通にやばい。

ラストの全員集合みたいな、めっちゃ都合よく主人公も登場人物もオチをつける。

小学生くらいの子供と、金曜ロードショーなんかで観るのにピッタリだとは思う。コメディとしての質もあくまでファミリーチャンネルで放送できる範囲で、決してお下劣な感じではないし。

限られた時間だけを切り取るのが映画の良いところでもあり、悪いところでもあると思う。伝記映画でもない限り、登場人物のその後まで完全に把握できる作品はそうそうない。それこそ「映画とは退屈な部分をカットした人生だ」と言われる所以だと思うが、この映画みたいに分かりやすく映画として終わらせようとすんのやめろ!って思う。例えるならドリフの「ダメだこりゃ」みたいな。全員集合して良い奴は幸せで嫌な奴は不幸になって「ちゃんちゃん」という効果音が聞こえてきそうなこの感じ。映画的ではあるがあまりに非現実的で、余韻も何もない。
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