Takuma

転々のTakumaのレビュー・感想・評価

転々(2007年製作の映画)
3.7
「大怪獣のあとしまつ」で随分話題になってる監督という事で観てみたんですが、これはユーモアの中に暖かみのあるロードムービーという感じがして、普通に良かったですね
元借金取りと大学8年目
追い詰められた孤独な二人が街を転々としていく中で徐々に関係性を深めていくのが、淡々としたでもリズミカルなタッチで描かれていて良かった
しかしよくよく物語の根本を考えると、非常にシリアスな背景が常に横たわっていて、主人公も観る側も、どうにかその部分を見ないように道中劇を楽しみたいという想いがリンクしてた気がする。
何気に開始5分くらいで一気に持っていかれたんですよね
チューブ歯磨きという突拍子もない小道具と、最低限のセリフといち舞台で、二人のキャラとその関係性とか哲学性を含んだだいたいの世界観が把握できるし、何かが起こりそうという期待感が全てクリアされた理想的なオープニングに感じた。

それぞれの過去に感じては全体的にハッキリ描かれず、敢えてボンヤリさせている構成も良かった
Takuma

Takuma