ペコ

マッチ工場の少女のペコのレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
4.0
アキ監督の労働三部作・その③
労働三部作もいよいよ三作目ともなると、今度は主人公はどんな職業なんだろうと想像したくなりますが、なんとタイトルでネタバレ…

それはさておき、三作の中でも今作が最もビターで身につまされるような話でした。
60分少々という短時間かつセリフもほとんど無いというのに実に情感豊かで余韻に満ちた一本。
コメディらしき映画を見ながら主人公がさめざめと泣くシーンで、これまでの作品とは対照的な人間的描写をしているのが特に印象的。

他の作品と異なり本作には全く救いが無いという向きもあるようですが、後半のカタルシスとも言える一連の展開からのラストは、主人公の無間地獄のような閉じられた日常からの解放という意味では、ある種の救いがあるとも言える気がしました。
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