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甘い生活のKYのレビュー・感想・評価

甘い生活(1959年製作の映画)
3.9
フェリー二監督作。作家志望のゴシップ記者マルチェロの行く先々で起きる出来事を羅列し繋ぎ合わせたストーリー。

この映画、一言で言えばいい意味で『つまらない』。女優といい感じになっても中途半端に終わるし、マルチェロが顔出す出来事すべてが快楽的ながらも中途半端に終わる。もちろんそれは意図的で、彼が過ごす甘い生活の結末がそれぞれ中途半端ゆえ、時間や純粋な想いや野心を削ぎとっていく事を実感できる。

何かそういう退廃的テーマが刺さる映画なんだけど、それ以下の退廃を現代人の方が抱えてるせいかより凹まされる。少なくともアヌーク・エーメやアニタ・エクバーグの様な美しい女性と過ごせるなら甘い生活も良しとできるがそれすらないし、希望がなく快楽的でもなく淡々と人生が終わっていくこの感覚は本当に甘い生活の時代より状況が悪化してる。
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