授業

北朝鮮にいる在外被爆者についてのドキュメンタリー。
8月6日は広島・大竹にいたのにどうして被爆することになったのかというのが冒頭のシークエンス。
・日本の敗戦＝祖国解放となったタイミングで、朝鮮に戻るための船が出るけどそれは早いものがちという噂が流れる。
・原爆投下から10日後に広島訪問。（被爆者の条件は二週間以内の訪問）
そこで被爆してしまい、その後、様々な症状に苦しめられることになる。
そして、親が朝鮮総連系の仕事に従事している子どもたちが多く辿った道、多感な時期に帰還事業で北朝鮮に帰ることになる。
日本政府による補償が受けられてないけど、北朝鮮にいるため無償の充実した医療を受けているという変な状況。
「北朝鮮は被爆者への医療が手厚い」とのくだりは信じていいものかどうか判断に戸惑う。北朝鮮にいる娘さんへの取材が実現している時点で、監視や検閲などのバイアスは当然かかっていると見るべき。
登場する女性医者が胡散臭いのはご愛嬌だけど、娘さんまで嘘ついているとはなかなか信じられなかった。まあ、嘘ではないか、独裁政権下で生きるための最低限のスキルってことだね。
ただ素直なひとだったら、それこそ北朝鮮を「地上の楽園」と勘違いしそうなので、そこはもうちょっとヒントを残しておいてほしいとは思った。

★新屋英子、伊藤孝司監督