か

コタンの口笛のかのレビュー・感想・評価

コタンの口笛(1959年製作の映画)
4.0
アイヌの話。森雅之が最初にクレジットされたから、どこにいるのかとずっと見てたら、このヒゲモジャの親父が森雅之だった。なかなかすごい存在感。

音楽が伊福部昭というのもあり、民族の大きな問題を扱っているのもあり、成瀬映画の中では最高にエピックな雰囲気がある。

映画中で2度ある葬送行列、葬儀シーンが見ものです。マッチアングルで撮っている。

主人公の兄弟はむちゃくちゃ優秀で、アイヌであることでいじめられるが、勇ましく抵抗をする。弟はクラスの番長みたいなやつと決闘することになるが、その日本人の番長がトコトン卑怯。

あと、河合俊一、、、いや宝田明が美術の先生役で出てくるのだが、爽やかでカッコよ過ぎて、あんなん女学生でも女性教諭でもみんな惚れてしまうのは仕方ない。宝田明の壮行パーティーのシーンも面白いです。

終わり方はやはり少し曖昧で、そして映画で示された人物たちの人生の途上を感じさせる。最後の道が素晴らしい。こんな風に道を撮れるのは、フェリーニ、ロッセリーニ、初期ヴェンダースだ。
か