躁鬱病当事者から見て、細かい所まで非常にリアルでした。
でも、どれほどリアルか当事者以外にはわからないだろうと思います。
人の細かい所によく気がついて、言葉がすらすら出てきてコミュニケーション能力が上がること。
頭の回転が速くなって、複雑な計算も簡単にできるようになること。
金遣いが荒くなって、手持ちがなくなってしまうこと。
自信満々になって、異性にも積極的にアプローチできるし、なぜかモテること。
音楽に多幸感を感じて、オーケストラを好むこと。
派手なファッションにこだわること。
衝動を抑えられないこと。
なんの前触れもなく鬱転すること。
鬱になるとパジャマみたいな格好で出歩くこと。
周りの人が優しくしてくれること。
躁状態になりたがって薬を拒むこと。
仕事が続かなくて日雇いに陥ること。
希死念慮を抱えていること。
一つ一つのシーンにとても意味があって、リアルな躁鬱体験を忠実に再現しています。
躁鬱病の教科書のような作品です。自覚的な当事者が作ったのか、徹底的にに取材をしたのか、本当によくできています。
ただ、この映画の圧倒的な共感力は当事者以外にはわからないかもしれません。
当事者でなければ、つまらないとも言えるかも。
逆に、この映画は
当事者による当事者のための映画とも言えるかもしれません。