だんぷまみず

狩人の夜のだんぷまみずのレビュー・感想・評価

狩人の夜(1955年製作の映画)
4.2
話の要素がすごく多いので、なんとかの話ってひとまとめが難しい。サイコな殺人鬼と兄弟の童話的な物語と、突然のホームアローンの様なコムディがちょろっと。

これが子ども向けって正気かよって感じだったけど、見終わるとなんか納得できる部分も。自分の中にある少年と同じ純粋な心をいつまでも失わない様にしたい。
最初は宗教を盾に殺人を繰り返すハリーやばい奴って感じだったけど、次第にキャラがどんどん壊れていっている様な…両手の「HATE」「LOVE」のタトゥーとかインパクト大なキャラだと思いきや、地下室では子どもにしてやられ、行き着く先ではお婆さんのショットガンにたじたじ。サイコな殺人鬼はどこか人間らしさを感じて、身近なあの人もな恐怖もいいけど、人間離れしたがっつりやべえ奴でもよかったな。最終的には罪を犯したハリーを少年は死刑に裁く様なことはしないが、他の人間がリンチにしようとするあたり人間怖いに行き着く。

冒頭、川下りのシーンとかすごくキラキラしている。象徴的な動物達。謎の流れのリクガメ。現実に戻った後に弱肉強食に戻る残酷さ。誰も助けてくれなかった兄弟が辿り着いた先に優しいお婆さんがいて良かった。

影で忍び寄るハリー、水中のシェリー・ウィンターとか印象に残るカットも大盛りで非常に良かった。