脚本が前2作より明らかにぶ厚く濃厚で、
序盤からずっとワクワクしながら観ました。
とりわけラスト30分!
『カメ止め』ばりに伏線ガスガス回収されていく展開がすこぶる気持ち良かった!
『ダンケルク』や『反撥』などと同じく、時計の音がチッチッチッと鳴り続ける緊張感も良い。
このシーケンスは冒頭シーンからガッチリ心を掴まれました。
近景から中景そして遠景へ、移動の速度をグッと落とした長回し気味のカメラが巧みで唸ります。
映画の温度を微熱に抑えたまま
「何か始まるぞ。。」
という予兆を示して、受け手のテンションをゆっくり高揚させていく。上手い!
既視感のある演出だと思ったら、
なるほどアルフォンソ・キュアロンの仕事。
そして『ハリー・ポッター』シリーズにおけるビジュアル面での主人公は壮麗なゴシック建築ですが、
今作もまた月夜に照らされるお城がイケメンすぎます。
おなじみ "絵の中の人物たち" も、今作はよく動きよく喋る。
やり込み要素が豊富なゲームよろしく、複数回の鑑賞に充分耐え得る良作です。