あれさ

黒猫・白猫のあれさのレビュー・感想・評価

黒猫・白猫(1998年製作の映画)
5.0
あのとき24歳。
日比谷の映画館で最終上映の日に観ました。

生まれて初めて、映画でスタンディングオベーションを体験した作品。
車椅子の方も、親子連れも、おじいちゃまも、サラリーマンも、学生さんも、全員立ち上がって、皆、満面の笑顔で拍手していました。家にあるDVDはその時の想い出も含めて一生の宝物。

この映画、重要な人物も含め、ほとんどの役が素人である本物のジプシーに演じさせています。
それが、この作品の破茶滅茶なお伽話のような作風に、とてもぴったりハマっていて愉快。

旧ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツァ監督。複雑な背景のある国で育った彼にしか作れない、ジプシーの人々への深い情愛のある作品です。ハリウッド映画には無理であろう!(言い過ぎ)

随所に現れるジプシー音楽隊、自由に振る舞う動物たち、貧しい生活を強いられている人々のたくましくも賑やかな家々の映像、本物のジプシーの役者の味わいのある表情。

この映画を表現するのに、観たことがある人と言い合いたい一言があるのだけれど、ストーリーがバレちゃうのでグッと我慢。新橋の飲み屋でたまたま隣の席にいた某テレビ局のディレクターとクストリッツァ監督の話でかなり盛り上がりました。

エミール・クストリッツァ監督、アンダーグラウンドも好きだけれど、わたしの一番はコレ!
楽しい!かわいい!面白い!これこそエンターテイメント!!!
あれさ

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