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黒猫・白猫のyukacafeのレビュー・感想・評価

黒猫・白猫(1998年製作の映画)
4.0
クストリッツァ監督作4本目。
冒頭から結末まで疾走感に溢れた、文句なく楽しい作品。言葉の壁を感じずに、誰が観てもわかりやすい笑いが散りばめられている。クストリッツァ監督ならではの動物や音楽、銃声などは登場するものの、これまで観てきた作品の中にある暗さが一切なく、こんな風に思い切り明るいベクトルに振り切った作品もあるのだと、新たな魅力を発見できた。

Undergroundでは、その政治的描写が批判や論争を巻き起こしたとのことで、この作品ではメッセージ性を排除し、とことん楽観的な作風を突き詰めているのが面白い。

有名なあのパッケージは、まさかあんなシーンだったとは。このストーリーに黒猫・白猫というタイトルをつけるセンス、突き抜けた表現、シュールさなど含めて、やはり私はクストリッツァ監督が大好きだと再認識した作品だった。
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