odyss

大菩薩峠 竜神の巻のodyssのレビュー・感想・評価

大菩薩峠 竜神の巻(1960年製作の映画)
3.0
【虚無感では狂四郎以上か】

BS録画にて。
三部作の第二作だそうですが、第一作は録画し損ねて見てません。すみません。
原作は大長編小説として有名ですけど、これまた読んでません。

主人公の机竜之助を演じるのが市川雷蔵。
のちに眠狂四郎が彼の当たり役となりますが、この机竜之助はタイプで言うと似ています。

でも、狂四郎が何やかや言っても女を救うのに奔走したりするのに比べると、こちらは途中で同道した女がさらわれても、所詮は拙者とは無縁の・・・とかなんとか言って見捨ててしまいます。虚無感では狂四郎以上なのです。

一方、彼を仇と狙う青年武士が本郷功次郎。今で言うイケメンです。

女優は山本富士子と中村玉緒が出ています。
美貌では言うまでもなく前者の圧勝ですが、あまり活躍しないのが難点。
中村玉緒はお歯黒をつけてますね。この頃の時代劇はちゃんとしていた。

幕末の騒々しい時代背景の中で、虚無的な主人公と、仇を追う武士や女という伝統的な時代劇の設定の双方が浮かび上がってきます。
odyss

odyss