tom

ドリームガールズのtomのレビュー・感想・評価

ドリームガールズ(2006年製作の映画)
4.0
演出や脚色がくどくなく,やや自然みの感じられる一作ですね.
まさに実在の音楽グループに起きたことを下地にドラマに仕立てた一作だと思います.
もちろん,ミュージカルや自伝という原作が存在することも,きっと関係しているのだと思います.

ストーリーは,音楽グループの各ステージを描いています.
そのなかで見られる,キャラクターの描き込みがくどくありません.

人間らしく感情をむき出しに迫る場面はそれっぽく,
ビジネスだからとバッサリ切り捨てる場面もそれっぽいです.
そういったところに自然みを感じました.

音楽界の闇を感じさせる場面も途中で登場しますが,
立ち向かうヒーロー感の演出も,沈んでいく陰鬱感の演出もありません.
闇に関するメッセージをテーマにするのではなく,作品は実際に起きたことを下地にしているからでしょう.

音楽ものの映画なのでそれっぽく締めくくりますと,やはり女優陣の歌唱力は見事です.
本作ではビヨンセがフォーカスされがちですが,それだけではないとだけ書いておくことにします.

One night only という曲が2バージョン存在することや,
Dreamgirls という曲が前半と後半で流れることの意味の違いを感じると面白みの増す一作だと思いました.
tom

tom