先日、久しぶりに高速に乗ったら、超久しぶりにデコトラをみた。サービスエリアで休憩して駐車場に向かったら、金太郎が竜を鷲掴みにしているやつが停車していて、みんな運転手がいないうちに写メっていたのだが、どうせならイルミネーションが映える夜に見たかったし、走ってるところも見たかったな。にしても絶滅していなかったのが驚きだ。
さて、消え行く野郎文化の生存確認報告をしたところで、トラック野郎もここで第6作目となり、シリーズも折り返し地点と相成った本作の魅力を紹介したい。
今回は妻帯者のジョナサンにもマドンナがいる修羅場。これによって生じる浮気がバレるのバレないのサスペンスが妙にあっさりしているのが笑える。
他にも、餅すすりやシミケンなどの見所も多いが、見物は桃次郎と子連れ狼のタイマンだろう。日本のスラップスティックコメディならではの何でもアリなアクションが展開し、もはやカートゥーン的ですらある店舗破壊や氷付けをみせてくれた。
トラック野郎と対立する警官を桂歌丸師匠とマチャアキが演じており、役の間抜けなキャラクター造形から違法改造におおらかだった時代性をうかがい知れる。撮影の裏話によると、当時の警察庁の偉い方がパトカー横転などの過激なシーンがお気に召さなかったようで、カーアクションの撮影をなかなか認めなかったようだ。そんな事情もあり、その仕返しとして、警察組織をとことん頭の固いケチな人間の集まりに描くことで、創作の倫理によって冗談の通じないクレーマーに一矢報いていたのだろう。
ラストでの恒例の爆走であるが、桃次郎は免停中にもかかわらず激走し、例によって無数のパトランプに追われることとなる。桃次郎の危機を察し救援に来る仲間たち。そして桃次郎の愛車“一番星号”がマドンナ夏目雅子の思いを乗せ奇跡の飛翔をみせる!力学を無視して車がとびあがる映画は何でこんなに嬉しいんだろう。まさにトラック野郎SKY MISSION。今日でなきゃ出来ないこともあるさ…。だから今はSee You Again!男一匹桃次郎、その看板に偽りなし!