よどるふ

ドカベンのよどるふのレビュー・感想・評価

ドカベン(1977年製作の映画)
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まず冒頭、漫画の『ドカベン』が登場し、それを買い求める少年たちが看板に描かれた漫画絵のドカベン(山田)に応援の言葉をかけていると、看板から実写ドカベンが飛び出し、看板はもぬけの殻となる。この「二次元の存在を三次元へ引っ張り出す」手続きが楽しい。

二次元でしか成立し得ない嘘を三次元に定着させるための力技も素晴らしい。「もうその草、咥えてるんじゃなくて奥歯から生えてるんだろ?」と思わずにはいられない岩鬼の食事シーンがそれだが、両手にバケツを持った山田がボールを切り絵になって避けるシーンでは一時的に二次元に戻る。

山田が投げられたボールをバットの風圧で落ち込ませる“横から見た図”のシーンはなんだか2Dゲーム画面っぽい。この映画が公開された1977年は家庭用ゲーム機はおろかインベーダーゲームも登場前だが、アーケード筐体はあったみたいなので、その影響があったりしないのかなと思ったり。
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