映画好きになると、ごく稀に作品に出演している張本人と同じ場で鑑賞する機会に恵まれる。

今回もそうだった。

実際にレイチェルカーソンが毎夏過ごしていたメーン州の別荘と、周辺の森や海へ足を運び、そしてレイチェルカーソンの愛でた自然を追体験した、語り手の上遠恵子さんが僕の隣に座りながら一緒に鑑賞。

"レイチェルカーソンに生前お会いすることができなかったから、もうすぐ天国でお会いできるのが嬉しく、死に怖さは感じない。むしろ天国は人口過多だからすぐに見つかるか、そっちの方が心配。大きな声で呼んでみようと思う。"

ユジク阿佐ヶ谷で観賞後のトークショーがあったのだけれど、作品撮影していた当時齢70の上遠恵子さん。現在は齢90を超えてるけどまだまだユーモアも忘れない元気なお母さんといった感じ。

"レイチェルカーソンの愛でた自然と、それを追体験する上遠恵子さんを映すだけでなく、どんなふうに撮ればレイチェルカーソンの感じた、目には見えないけれど確かにそこにある温度感のようなセンスオブワンダーを伝えることができるか、考えながら撮った。"

そして同じく製作に携わったカメラクルーの方たちも同席され、製作者の視点でのセンスオブワンダーを知れて興味深かった。

撮影されたのが2001年とのことだけれど、いささか時代の違いを感じさせられるくらい映像画質が粗くそこがちょっと残念。

でも作品からも、ご本人の直接のお話からもレイチェルカーソンと、自然との共生に対する上遠恵子さんの愛情をとても感じたひと時だった。

• #レイチェルカーソン
• #自然
• #ドキュメンタリー
• #センスオブワンダー
• #森
• #海
• #追体験
• #クラシック

日本語版の翻訳者の上遠恵子さんがレイチェル・カーソンゆかりの地を巡りながら自らの翻訳を朗読してゆくドキュメンタリー映画。2004年。自主作品。