メタ壱

フレフレ少女のメタ壱のレビュー・感想・評価

フレフレ少女(2008年製作の映画)
4.3
小説の中の恋に夢中になっている地味な文学少女・桃子は、ある日野球部のエースに恋してしまう。
なんとか彼に近づこうと考えた桃子は部員が一人しかいない弱小応援団に入部したものの、彼女の前には沢山の難題が待ち受けていた…というお話し。

応援っていうのは、頑張っている本人の横でそれに直接力を貸すわけではなく「頑張れ」と声をかけるもので、それはある意味で無責任な事。

だからこそ本当の意味での応援には、応援する側の頑張りがとても重要なのだと思います。

作中でもあったキツイ練習。
なかなか応援の気持ちが届かなくても見返りを求めず、それでもあなたを応援していますよという心の底からの熱意と耐え忍ぶ“押忍”の信念。

応援団の古風でありながらもあの力強い姿は応援の気持ちを最大限に伝える体と言葉を使った魂のメッセージなのだと思います。

応援される側が応援する側のそんな姿を見るからこそ、その応援に応えたいという気持ちが自分の為以上の力を生み出せる。

そうして応援の心が届き応援する側とされる側が一つになった時、人は何倍もの力を発揮できるるのだと思います。

人の持つ気持ちは人に伝わり、人の心を強く動かす。

そうしていつしかその経験そのものが、自分自身の人生への応援になるような気がします。

“応援”というものの本質を描いた素晴らしい作品でした。
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