onotoraman

肉弾のonotoramanのレビュー・感想・評価

肉弾(1968年製作の映画)
4.5
多分二年前。シンゴジラにはまって、どうやらあの会議シーンは日本の一番長い日っていうのが元ネタらしいっていうんで見てみたらこれもはまって、しばらく岡本喜八あさりをしていた時期に存在を知った作品。どこのレンタルショップにもなくて検索してみたらたまたま動画を発見。しかし半分まで見たところで止まってみれなくなってしまってそれ以来ずっと気になっていた。

その前半部分だが、たまらなく好きだった。岡本喜八の作品ってコメディ、実録、SF色んな方向性があるけど、好きな作品の「日本の一番~」「ダイナマイトどんどん」に共通してるのは、人間とか時代の熱量が激しく伝わってくること。肉弾もまさにそうだった。
そして、女郎小屋のヒロインとのエピソード。お化けばかりの女郎街でひとり輝く女性、二人だけの暗号のような因数分解。次の日特攻に行かされる状況も相まってか、自分を唯一わかってくれる女性に出会えた感動がたまらない。人によってマリリン・モンローだったり綾波レイだったりする存在、ミューズに出会った気がした(今までミューズだなって思っていたのは舟を編むの宮崎あおい。どうやら自分はダメ文学青年を理解してくれる女性が好きらしい。ナディアもそんな感じだし)。

そして二年後の今、TSUTAYAディスカスで借りれることを知り、ついに全編を見ることができた。
しかし、後半は期待しすぎたのもあったのか内容的にも展開的にも少し残念だった。でも、ヒロインと交わしたものとか願いとか全部が叶わないのが戦争なのかもしれないし、監督の意図なのかもしれない。

前半だけ始めに出会えてよかったって面白い。これからの自分の作品制作の指針の一つになる映画だと思う。
onotoraman

onotoraman