Shun

タンポポのShunのレビュー・感想・評価

タンポポ(1985年製作の映画)
4.9
相当好みで、2時間とは思えないくらい詰まってる内容でとても楽しめました
そして、「食」ってすごいなと感心できる傑作でした


トラックの運転手ゴロウとガンは、ある日どうしてもラーメンが食べたくなり、たまたま目に付いたさびれたラーメン屋に入る
そのラーメン屋では、店主のタンポポが土建屋のビスケンたちにしつこく付きまとわれていた
ゴロウは身を呈してビスケン達と戦い、それをきっかけにタンポポのラーメン屋の面倒を見ることになる


・「食」と「生きる」
この映画は、主にタンポポがラーメン屋として成長していくストーリーと、「食」にまつわるいくつかのショートエピソードの2つの軸で出来ています
タンポポのラーメン修行のエピソードはシンプルに面白く、「ロッキー」のように誰でも楽しめるストーリーとなっています
そこに味を添えるのが、ショートエピソードで、フランス料理店で一番後輩が食について詳しくてかっこいいだったり、死にかけている奥さんが最後に作る料理だったり、どれも印象に残る面白いストーリーばかりです
「食」は生きてる限り誰でもわかるものですから、どのストーリーも誰にでも分かりやすく、笑えて面白くなっています
また違った味を添えている、若き役所広司の演技も、相当いいもので、食とセックスを融合したシーンは感動を覚えました

そしてなにより、食べ物が美味しそうです!
とにかくラーメンも和食もフレンチも中華もアイスもいろいろ出てきますが、どれも美味しそうです
ほんとに、いろいろな食べ物といろいろな食べ物にまつわるストーリーが組み込まれています

最初にゴロウたちが、本のラーメン紹介を見てお腹がすいてるけど、この映画を観てもお腹がすくこと間違いないです
お腹すいてる時にみると耐えきれなくなると思うので、注意してください


・ラーメンウエスタン
この映画は西部劇をモチーフに作られています
主要な登場人物はおおよそ帽子(いろんな帽子ですが)をかぶり、それはカウボーイハットを暗示しているのだと思います
西部劇的なストーリー展開で、まさかの決闘も見られました
山崎努、役所広司、渡辺謙など、今ではレジェンドの俳優たちが渋い男を演じ、とにかくかっこいいです
ラストシーンも最高です
終盤は、ラーメン屋ののれんがまるでウエスタンドアのように見えてきました笑



この映画はいつまでも色褪せない映画なのかなと思います
ラーメンウエスタン恐るべし
お腹がすいてないときに、また何度も見返したくなるようなそんな映画でした
Shun

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